九州地域は全国でも特に厳しい高温多湿の気候に見舞われる地域です。特に福岡県では、夏季の平均気温が28~29度に達し、湿度も80%を超える日が続きます。このような過酷な環境において、適切な空調設備の選定は、建物の快適性と省エネ性の両立において極めて重要です。
この記事では福岡市を拠点に業務用の空調設備工事を数多く施工している専門業者が、福岡の気候に合った設備の選び方について解説していきます。オフィスや商業施設の空調設備のことでお悩みの方はぜひ参考にしてみてください。
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福岡市を拠点に約30年にわたって九州一円で空調設備工事を手がけてきた株式会社九州冷設工業では、この地域特有の気候条件を十分に理解し、最適化された空調システムをご提案しています。当社では空気調和設備工事・換気設備工事・プラント配管工事・給排水設備工事など、建物の設備工事を総合的に手がけており、設計から施工、メンテナンスまで一貫したサービスを提供しています。
九州地域の気候特性と空調設備への影響

九州地域の気候は本州と比較して、より過酷な条件が重なります。特に空調設備の選定においては、これらの気候特性を正確に把握し、適切な対策を講じることが重要です。
高温多湿がもたらす空調負荷
福岡市における夏季の気候データを見ると、7~8月の平均気温は28~29度、最高気温は35度を超える猛暑日が年間20日以上に及びます。さらに特筆すべきは湿度の高さで、相対湿度が80%を超える日が珍しくありません。このような環境では、体感温度が実際の気温よりもさらに高く感じられ、不快指数が大幅に上昇します。
空調設備に求められる機能は単純な冷房だけではありません。除湿機能が極めて重要な役割を果たします。湿度が高い状態では、同じ温度でも快適性が大幅に損なわれ、作業効率の低下や健康への悪影響が懸念されます。適切な除湿により室内環境を改善することで、設定温度を高めに設定しても快適性を保つことができ、結果的に省エネ効果も期待できます。
海洋性気候による塩害対策の必要性
九州地域は三方を海に囲まれているため、海洋性気候の強い影響を受けます。特に沿岸部では塩分を含んだ海風により、空調設備の室外機や配管に塩害が発生しやすくなります。塩害は設備の腐食を促進し、機器の寿命を大幅に短縮させる原因となります。
また、九州は台風の通り道でもあり、強風や豪雨への対策も重要です。室外機の設置場所の選定や固定方法において、これらの気象条件を十分に考慮する必要があります。適切な対策を講じることで、設備の長寿命化と安定した運転を実現できます。
九州地域に最適な空調設備の種類と特徴
九州地域の気候条件に対応するため、特に効果的な空調設備の種類と特徴をご紹介します。これらの設備は、地域の特性を活かした省エネ性と快適性の両立を実現します。
高効率インバーター式空調システム
九州地域の長期間にわたる冷房需要に対応するため、高効率のインバーター式空調システムが特に有効です。従来のオンオフ制御と異なり、インバーター制御は運転状況に応じて圧縮機の回転数を細かく制御し、無駄な電力消費を抑制します。
特に九州地域では朝から夜まで長時間の冷房運転が必要となるため、部分負荷効率の高いインバーター式の採用により、年間を通じて大幅な省エネ効果が期待できます。最新のインバーター技術では、定格能力の10~110%の範囲で細やかな出力調整が可能となり、快適性と省エネ性を両立できます。
全熱交換器付き換気システム
高温多湿な外気を直接取り入れると、空調負荷が大幅に増加します。この問題を解決するのが全熱交換器付きの換気システムです。このシステムは、排気の冷熱と顕熱(温度)、潜熱(湿度)を回収し、外気の予冷・除湿を行います。
九州地域では特に除湿効果が重要で、全熱交換器により外気の湿度を20~30%程度低減できます。これにより、室内の快適性を維持しながら空調負荷を大幅に削減し、エネルギーコストの抑制が可能になります。
耐塩害仕様の室外機
沿岸部や海風の影響を受けやすい地域では、耐塩害仕様の室外機が必須です。一般的な室外機では、塩分による腐食で3~5年程度で交換が必要になることがありますが、耐塩害仕様では熱交換器に特殊なコーティングを施し、配管材料も耐食性の高い素材を使用します。
耐塩害仕様の室外機は初期コストが10~20%程度高くなりますが、長期的な維持管理コストを考慮すると、むしろ経済的な選択となります。特に工場や商業施設など、設備の停止が業務に大きな影響を与える建物では、信頼性の高い耐塩害仕様の採用が推奨されます。
建物用途別の最適な空調設備選定
建物の用途や規模により、最適な空調設備は異なります。九州地域の気候特性を踏まえた用途別の選定ポイントをご紹介します。
オフィスビル・商業施設
オフィスビルや商業施設では、人の出入りが多く、内部発熱も大きいため、迅速な温湿度制御が求められます。マルチエアコンシステムや中央熱源方式の採用により、各階・各区画ごとの個別制御を実現できます。
福岡市オフィス街の特徴
朝の立ち上がり時間:8:00~9:00に集中する冷房需要
日中の安定運転:10:00~18:00の連続運転
省エネ対策:蓄熱システムとの組み合わせ
電力デマンド:ピーク時の電力料金削減効果
商業施設の要求条件
顧客快適性:温湿度の精密制御
営業時間対応:長時間安定運転
エリア別制御:売り場ごとの個別管理
省エネ性:運営コスト削減効果
特に福岡市のようなビジネス街では、朝の立ち上がり時の冷房能力と、日中の安定した温湿度維持が重要です。蓄熱システムと組み合わせることで、電力デマンドの平準化も可能になり、電気料金の削減効果も期待できます。
工場・倉庫
工場や倉庫では、大空間の効率的な空調が課題となります。九州地域の工場では、製品や原材料の品質維持のため、温湿度管理が特に重要です。天井設置型の大型空調機や、産業用エアコンの採用により、均一な空調環境を実現できます。
工場内の熱源(機械設備等)からの発熱を考慮し、スポット空調やエリア別制御を組み合わせることで、エネルギー効率を向上させることができます。また、作業環境の改善により、作業効率の向上や熱中症対策にも寄与します。
省エネ性能と2025年省エネ基準適合義務化への対応
2025年4月から施行される建築物省エネ法の改正により、すべての新築建築物において省エネ基準への適合が義務化されます。九州地域の気候特性を踏まえた対応が重要です。
最新の省エネ基準への対応
2025年4月以降に工事着手するすべての建築物(住宅・非住宅)において、省エネ基準への適合が義務付けられます。これは建築物省エネ法の改正によるもので、外皮性能と一次エネルギー消費量の両方で基準をクリアする必要があります。九州地域では特に冷房期の省エネ性能が重要な評価項目となります。
九州地域では冷房期間が長いため、冷房期の省エネ性能が特に重要です。最新のエアコンでは、年間を通じたエネルギー消費効率(APF)が7.0を超える機種も登場しており、従来機種と比較して30~40%の省エネ効果が期待できます。
設計段階から省エネ基準に適合した設備選定を行うことで、建築確認申請時の省エネ適合性判定もスムーズに進めることができます。当社では、設計段階から省エネ基準を意識した提案を行い、お客様の建築計画をサポートしています。
適切な設計・施工による性能確保
どれだけ優秀な設備を選定しても、設計と施工の品質が適切でなければ本来の性能を発揮できません。九州地域の気候条件を考慮した設計・施工のポイントをご紹介します。
九州地域の気候条件を正確に反映した負荷計算が、適切な空調設備選定の基礎となります。単純に床面積から概算するのではなく、建物の構造、断熱性能、窓の方位、内部発熱量、外気導入量などを詳細に検討し、精密な計算を行います。過大な設備は初期コストとランニングコストの増加を招き、過小な設備は快適性の確保ができません。
施工品質の確保も重要なポイントです。配管の断熱処理、気密性の確保、電気工事の品質など、施工の各工程での品質管理が性能に直結します。特に九州地域では、高温多湿環境下での作業となるため、作業環境への配慮と、それに応じた施工管理が必要です。
当社では約30年の豊富な経験と地域特性への深い理解をもとに、設計段階から施工、アフターメンテナンスまで一貫したサービスを提供しています。経験豊富な技術者による適切な施工により、設計性能を確実に実現し、長期にわたって安定した運転を確保します。
九州地域では、季節を通じて空調設備への依存度が高いため、メンテナンス体制も重要です。定期的な点検とメンテナンスにより、設備の性能維持と長寿命化を図ることができます。特に塩害対策として、室外機の定期的な清掃や防食処理の点検が効果的です。
福岡をはじめとする九州地域の高温多湿な気候条件下で最適な空調環境を実現するためには、地域特性を十分に理解した設備選定が不可欠です。高効率なインバーター式空調システム、全熱交換器付き換気システム、耐塩害仕様の機器など、条件に応じた最適な選択により、快適性と経済性を両立できます。また、2025年4月から施行される省エネ基準適合義務化に対応した設備選定も重要な検討事項となります。
株式会社九州冷設工業では、福岡市を拠点に約30年にわたって蓄積した豊富な経験と地域特性への深い理解をもとに、お客様のニーズに最適化された空調設備をご提案しています。設計から施工、メンテナンスまで一貫したサービスにより、九州地域の気候に最適な空調環境の実現をサポートいたします。九州地域の気候に最適な空調設備の導入をご検討の際は、ぜひお気軽にご相談ください。






